日刊ゲンダイ 山田 勝仁さまから感想いただきました!

山田さまのFBより 抜粋
観客に今、自分たちの思いを伝えたいという真摯な熱意と凄みさえ感じさせる舞台だった。
Space早稲田で上演された劇団ユニット・ラビッツ「ラッキー☆アイランド ~のこされ島奇譚~」がそれ。
2014年、テレビプロデューサーのキムラとレポーターのトモミが訪れた被災後のフクシマ。2011年、原発爆発直後、警戒区域内に残してきた酵母菌を取りに来た若者たち。そしてもう一人、1954年、福竜丸を題材に絵筆をとるベンと名乗る男。3者が時空を超えてとある場所で出会う。
「ここからどうやって帰ればいい? ここはどこなんだ? 今はいつなんだ?」
荒涼とした海辺の向こうに見えるのは福島第一原発。そして、彼らの前に現れたのは、巨大なアイツ「「ここではない、お前が行くべきなのはあっちだ。それは東京」
アマチュア劇団だからといって侮ってはいけない。伝えなければならない思い、訴えたいことがなければプロもアマもない。
郡山を拠点に活動する劇団でしかできない舞台。スタイルとしては80年代小劇場の芝居。初々しい。
終盤、今では善役になったが本来は邪悪で巨大なヤツに向かって犬やダチョウたちが挑んでは斃される。フクシマの地で見捨てられた動物たち。巨大な権力に翻弄されたフクシマの人々の姿だ。
思わず何度か涙をぬぐってしまった。
必ずしもうまい芝居ではない。しかし、そこには演劇の原点がある。それは「伝えたい思いがある」ということ。
終演後、主宰の佐藤茂紀氏が観客に詫びた。
それは劇中でダチョウ役の俳優が客席に向かって「安全圏にいて何もしないお前ら!」という意味のセリフで罵倒したことへの謝罪だった。佐藤氏は俳優に対して「一部でアドリブでセリフを言っていい」と話したという。しかし、舞台袖で聞いていて「このセリフを客席に向かって言うのは本意ではない」と思ったという。
不快に感じた方には料金をお返しします、と頭を下げた。その真摯な態度。
実は私もこのセリフに矢を射かけられたように一瞬心が痛んだ。しかし、演劇にも安全圏はない。言われても当然なのだ。
10分後にアフタートーク。ああ、どんな話をするのか聞きたいと思ったが、下北沢に急がなければならないので駅へ。
書きたいことあるけど、そろそろ支度をして帰郷の途。
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感想、本当にありがとうございました!
私たちは決して、上手くもないし、フィジカルも弱いし、役者も演出も、未熟。
やらなければならないことがたくさんあります。
けれど、劇団員一同、これだけは信じて芝居を創ってきました。
私たちの伝えたい想いはこの作品の中にあり、そしてこの作品は未来を変える可能性を持っている。
私たちは、誰かの悪口を言いに東京に行ったのではありません。
誰かを傷つけるために、もしくは自分たちの感情を押し付けるためだけに東京に公演をしに行ったわけではりません。
できれば誰かと共感できたり・・・共有できたり・・・そしてお芝居を観て笑ってもらったり、お客様に参加していただいたり・・・
なにより、たくさんの出逢いを求めて東京へ行きました。
山田さまと出会えて、感想をいただけたのも、私たちにとっては奇跡のようなご縁です。
本当にありがとうございました。
また、劇団ユニット・ラビッツは、東京公演「ラッキー☆アイランド」への忌憚ないご意見、ご感想を随時お待ちしております。
必ず、次の作品への糧とさせていただきます。
こちらのメールアドレスまで、お送りいただければ幸いに思います。
unit.rabbits@gmail.com
これからもどうぞよろしくお願いいたします!
団員のりこ