鬼の話
そして 「ドン・ブラコ」
今年に入ってから3本目のオリジナル作品になります。
「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。」by赤鬼
小さい頃、「桃太郎」の話を読んだときからどうしても拭いきれないでいる疑問(鬼ってそんなに悪かったのか?)が、この作品を書き始めたきっかけです。
なにしろ同じ頃に読んだ「泣いた赤鬼」の話が印象深かったせいでしょう。
今回の舞台は鬼穴です。あぶくま洞の近くにある洞窟です。ここには大多鬼丸という鬼が住んでいたのだそうです。
数年前に訪れた鬼穴にはコンビニ袋だのカップめんの食い散らしなんかがあったりして、とても物悲しい雰囲気でした。
でも、そっと耳を澄ましてみると、こんな風にも聞こえてきました。
「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいカップめんがございます。お湯も沸かしてございます。」by 大多鬼丸